飛ばなくなったヘビ/青の詩人
空しか飛んではいけないことになっていたので
大きな空を飛んでもよいと言われて 当惑した
彼は高みへと飛ぶのはしんどかったので
空の神様からできるだけ遠く離れると 下へ下へと降りていった
雲が見えなくなり風が吹かなくなったところまで降りてきたとき
彼は使命を思い出した
そういや 闇を探すんだっけ
いいよそんなの かったるい
ヘビがそう考えて地上に着地したとき
そこに闇があった
彼は空の神様に届けることはせず
闇を独り占めにしてしまった
空の神様は闇を手に入れることができず怒り狂った
そして罰としてヘビから翼を奪い
彼を地を這うことしかできない姿に変え
二度と空を飛べなくしてしまった
そのあと
太陽の使者コンドルが
闇を飲み込んだヘビを追いかけまわすようになり
朝と夜の追いかけごっこが始まったという
もしもヘビが闇を持ち帰っていたら
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