極彩/大覚アキラ
 
強い風が叩きつけるように吹く中で
極彩色の旗が暴れている
数え切れない数の旗は
数え切れないほどたくさんの色で溢れていて
極彩色の荒れ狂う海になって
目の前の景色を飲み込んでゆく

きみは
たった一人でその真っ只中に立っていて
凛としたその姿は
まるで古代の戦士のようだ

それなのに
その冷たく冷え切った頬には
一筋の涙が流れていて
強い風に吹き飛ばされて
水晶玉のように光りながら飛んでゆく

風よもっともっと強く吹け
そして
極彩色の奔流となって
見渡す限りの
この世界のすべてを飲み込んでしまえ

そうだ
この地上に
神とか
そういう者が存在するとしたら
きっと
今のきみのような姿をしているに違いない
戻る   Point(3)