マシュマロの首飾/soft_machine
 

青いひかりテーブルでぽつり
グラスのふちに残された
口紅をぬぐうと砂糖の甘さ
部屋のすみずみで
とけ切らずゆれていた
おまえの唇に映る模様
グラスの底の乾き

俺はいつも眠たくて
おまえが帰ってくるまで起きて
いようと考えているだけ
朝日の底まで
独りぼっちの部屋で
枯れてゆくだけの草花に
水を撒いたり
ベランダで
横たわった戸棚に腰かけ
銀杏の鴉が羽ばたく
瞬間を見逃したくない
だけ

枯れた花束でいいから
そう言っておまえ
チェックのスカートがよく似合ってた
呼吸はいつもちいさくて
透ける肌
俺の前では
いちども食事しなかった
ほこり
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