「 壊れた傘 」 /服部 剛
 
嵐のあと 
歩道に棄(す)てられた 
ぼろぼろなビニール傘 

雲間から射す日射しに 
一本だけ折れなかった 
細い背骨が光る 

あのような 
ひとすじの 芯(しん) が 
わたしもほしい 




戻る   Point(13)