ワールズエンド・スーパーノヴァ/Six
 
土星のお姫様は
ある夜の街角で
覗き込んだ望遠鏡のガラスに
自分の故郷が
小さく映っているのを見て
自分が記憶喪失であったことを
思い出した
と言った

それから
生のレモンにむしゃぶりつき
塩をちろっと舐めて

「でもあたしはさそり座なのよ」

と言って
テキーラを飲み干した

なんでも時々
さそりの幽霊が
彼女の髪にくっつくことが
あるあらしい

その他には
オーラルセックスだけで
いとも安易に
こんな所までやって来たことを
少なからずも後悔している
と言う

「でも後悔先に立たずよねえ」

などと
考えに耽るお姫様の髪に

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