太陽が死んだ夜/八月のさかな
 
夜はどこまでも深まり
朝はいつまでも逃げ続ける
そうして明けないよるを嘆くかのように
星が地に落ちてなみだに暮れる

どうしてなくの
通りがかった少年が聞くと

もう自由にはなれないから
ひかりを失った星はこたえる

どうして自由になれないの
少年がなおも聞くと

太陽が死んでしまったから
星は悲しそうにこたえた

世界を支配する夜は果てもなく更け
その色はどこまでも濃くなるばかり

ぼくに出来ることはある?
少年は優しくそうたずねると

星はしずかににっこりわらう

それならばおおきなおおきな画用紙に
太陽の絵をかいてくれないか
そしてはじっ
[次のページ]
戻る   Point(1)