太陽が死んだ夜/八月のさかな
夜はどこまでも深まり
朝はいつまでも逃げ続ける
そうして明けないよるを嘆くかのように
星が地に落ちてなみだに暮れる
どうしてなくの
通りがかった少年が聞くと
もう自由にはなれないから
ひかりを失った星はこたえる
どうして自由になれないの
少年がなおも聞くと
太陽が死んでしまったから
星は悲しそうにこたえた
世界を支配する夜は果てもなく更け
その色はどこまでも濃くなるばかり
ぼくに出来ることはある?
少年は優しくそうたずねると
星はしずかににっこりわらう
それならばおおきなおおきな画用紙に
太陽の絵をかいてくれないか
そしてはじっ
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