ひとそれぞれということ/んなこたーない
ひとそれぞれだという。十人十色だという。解釈はそのひとの自由だという。
それはそれできっと素晴らしいことなのであろう。
ただここで残念なのは、いくらそう声高に主張してみても、
どうやら世の中に類型的でない人間が存在しなさそうであるということだ。
とことん巨視的に眺めれば、世界の相貌はのっぺりしたものでしかない。
それならば、とことん細部の差異にまで目を向けるべきであろうか。
しかし人間の情報処理能力には限界があるので、一定量を越えた情報はノイズとしてしか認知できない。
ノイズもまたのっぺりとした相貌を持つ。
そういえば、ノイズ・ミュージックは聞くひとをしばしば眠りに誘う。
のっぺ
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