「 遺影の顔 」 /服部 剛
 
夕陽をあびる 
丹沢の山々に囲まれた 
静かな街の坂道を 
バスは上る 

時々友の家で 
深夜まで語らう
( 詩ノ心 ) 

午前三時 
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋へ 

友の母が敷いておいてくれた
布団にもぐり 
ねむくなるまで 
詩集をひらく 

(ねむりにおちるそのとき 
(きえていたすとーぶが ぱちん となり 
(めがさめた 

(ぶらさがるひもをひっぱり 
(くらやみに
(まめでんきゅうをともす  

(ふたたびまぶたがおもくなる 
(のに
(なぜかいしきがねむれない 

(まくらべに、けはい。  
(すがたのな
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