冒険の終わりに/なごまる
 
子供の頃 僕は乗り物が大好きだったんだ

あの頃の僕はお日様のひかりを
いっぱいにあびたフトンがあれば
どこにだっていけた

一人乗りの潜水艇で海底を探険したりだとか
宇宙を旅して知らない星に
着陸したことだってあるよ

ねっころがってマクラの操縦桿を
むねに抱きながらね

でも いつのまにか大人になってしまった僕は
真夜中の冷たい風に縛られながら
バイクにへばりついて
トラックの隙間をすりぬけているだけ

もう どこにだっていけるって
わけでもないんだ

ごめんよ

つぎだらけのアスファルトの夜に




(1999・布団のうえの冒険・修正)
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