願いごと /服部 剛
 
れかかるといつも 
( 街の広場にあらわれる幻の回転木馬(メリーゴーランド)  

( いつまでも年齢(とし)をとらない少年と少女 
( 宙を回る一頭の白馬の背に跨(またが)り 
( 奏でる夢の旋律(メロディー)のなか 
( 音の無いはしゃぎ声
( 夜毎(よごと)響かせている 


丘の上の叢に 
独り身を埋めたまま 
仰いだ星空の海に語りかける 


「 わたしのほんとうのさいわいは 
  いったいどこへきえたのか・・・ 」 


見渡す街に、耳を澄ますと
街の何処かで呟く誰かの詩(うた)を運んで
夜風が耳に{ルビ囁=
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