混色の果てに/
 
”いっぺんの汚れもない”なんて純白が
似合うはずもないことを
よおく よおく 知っていたので
貴方がよこした手紙のはじめが
どろや 食べかす 
他の人の存在で 彩られていても
私は
とんと 気にしなかった


空の青さも 海の蒼さも
深く 深く 気づけたならば
私は馬鹿じゃあないので
ジュゴンを人魚と見間違え 
海へ歓声を上げ 飛び込む貴方よりは
カモメのように
うまく 海と空の境を 作れるはずだった


混ぜて混ぜて 混ぜて 黒ができたなら
混ぜず白を作ることも簡単だろう
混ぜて混ぜて 混ぜて 夜ができたなら
混ぜず朝を作ることは 簡単だろう?



うまく笑うことのできない昔の私を
どっか遠くに 放り投げた今の私は
何も 何も 何も 混ざっては居ない

なにもない

純白。



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