絵画の向こう側/
渡 ひろこ
無意識の深淵にひそむ邪鬼たちは
まどろむ私を
五次元の奈落へと
密かに誘う
封印を解かれた
亡者の魂は
生ある息吹をもとめて
閉ざされた扉から
怒涛となってあふれ出る
彼らの思念が
うねりとなり大河となって
私を飲みこみ
押し流す
波の飛沫の間に
次元を漂う
邪鬼たちの
嘲笑がこだまする
笑うなら笑えばいい
私が手を振りかざせば
いつでもおまえたちを
この二次元に
閉じ込められる
私が創造主
すべて私が描き出したる
産物なのだから
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