木に登る/七味とうがらし
 
午後1時がかたどる窓の光線
電子ジャーのふきんに居て
お茶の湯気
キラキラとたちのぼり
しゃべりまくる徹子
テレビの中で2時を待つ

宇宙の果てのむこう側
むこう側にも果てがあり
そのむこう側があるとして
ひどく悩んでいたことを思いにふけつつ
それを孤独とネリリした詩人のそれにふれ
そおいった大人のそれにふれ

背の低い母は子供のように
高い所のそれは取れない

大人にならないと
してはならないことに
ひどく悩んでいたことを思いにふけつつ 実は今、
公園の木の上にいる午後3時
はたから見られる事を恐れる私
カゲとともにふきんを歩く人々
パンツが見えそうな
罪深き少女について
ひどく悩むことは禁止されている

それよりもまだ
宇宙の果てについて何一つ解決していないのに
大人には木に登る理由が必要なのであって
早く大人になりたかったのに
もう5時になります

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