Night walkeR/三架月 眞名子
 
本当に一人になりたくて
孤独を肌に感じたくて
改札に向かう足取りをユーターンさせて
真夜中の街に身を投じた
携帯は川に投じた
そして
人のいない方へ
いない方へと・・・

繁華街を離れると
そこには

 湿った風
 冷たい雨
 埃の匂い
 煩い静寂

そういったものが
夜のヴェールに包まれてて
なんだか浮世離れしていた
自分が今どこにいるのか
一瞬どころか
永遠に分からなくなりそうだった

そんな浮遊感を纏いながら
ボクは歩く
道の先へ先へ
記憶の奥へ奥へ

 赤信号
 赤い涙
 車のヘッドライト
 誰かの泣き顔

そういった

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