瑠璃/海月
(砂浜に適当に流れてきた流木で文字を書く)
瑠璃
君はまだピアノを弾き続けているのだろうか?
何度もやめたいと言っていたけど
その度に僕は君を半ば強引に説得して続けて
僕がいない時にやめてなければ良いのだけれど
瑠璃
君はまだ臆病のままなのだろうか?
何かに怯えて人を信じない
君の心の隙間に入るまで何時間も扉の前で
君の話を聴いていたっけ?
今となれば善き思い出
瑠璃
君はまだ僕を待ち続けているのだろうか?
君の注文に耐え切れずに
ちょっと買い物に行くと言って家を飛び出して
二度と帰らない僕の事を君は怒っているのだろうか?
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