二十一世紀少年/大覚アキラ
池袋とか新宿とか
そんな
詩みたいにきれいな響きを持った名前の街は
おれたちの暮らす街にはないので
とりあえずできることといえば
コンビニの前にたむろしている若者にビクビクしながら
そいつらをぶちのめす妄想を楽しむことぐらいだ
コンビニの前でスクーターにまたがったまま馬鹿笑いしている若者の
薄っぺらな胸倉を掴んで引き倒し
にやけた顔面をレッドウイングのソールで踏み潰す
という妄想
顔面を踏み潰された若者は
どこが目でどこが鼻でどこが口なのかわからなくなった血まみれの顔で
泣き喚きながらのたうちまわっている
という妄想
血まみれの若者の仲間が振り回す
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