surface/三架月 眞名子
 
まだ一緒にいたい・・・


それが本当なら
心からの言葉なら
一秒でも長くいられる術を
その手で掴み取ってくれればいいのに
なぜ君の足は
改札へと向かっているのだろう?
なぜ私を抱きしめて
手をとって
連れ去ってくれないのだろう?

そんな上辺だけの言葉なら
欲しくない
欠片も欲しくない
聞きたくもない
なんて薄っぺらい
上辺だけの言葉
十二月の薄氷のよう
冷たいくせに
上を滑らせてもくれないじゃない

私が欲したのはホンモノの言葉
七月の松明のような
揺れ動いて不安定でも
強くて熱い光

だから私は
繋いだ手を力任せに振りほどいて
半歩前の君を追い越し
振り返らずにバイバイと
それがせめてもの反抗心

口が裂けても一緒にいてと言えない
そんな私も上辺だけ・・・?

ちがうちがう
それはただ私が
ものすごく負けず嫌いなだけ
不器用なだけ
臆病なだけ・・・


もし素直になれたら
もっと君といられるのだろうか?
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