二酸化炭素いろのよる/
八月のさかな
きみの吐く
藍色の空気につつまれるたび
わたしはぺしゃんこになる
圧縮されたわたしは宇宙をとびかう電波みたいに
ひらひらと空を舞い夜を見渡して
みどりの泉でからだをふやかし
きえない炎で手足をあたため
やわらかくなってきみのもとへ戻る
二酸化炭素の城で待つ
きみはわたしを笑顔でむかえる
そのたびはまるで甘美な夢のように
わたしを夜にとじこめる
朝よまだこないで
もうすこしわたしをゆるして
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