塾サボり少年と予言者たち Part-1/猫八百
駅のざわめきの中で
少女と老人は呪文を配布していた
預言者はその郷里では尊敬されないものだ
とやらで
飴のように溶けてしまってはいたが
なんという愚問を放ってしまったのか
先に中味を見せてくれなんて
少女の唇からはただひと言
私
を
見
て
決
め
て
下
さ
い
少女の頭の先からつま先まで火の眼差しを投げかけたが
一瞬の炎は
ひらりとエクトプラズムだけを残し
あのときのままいまもそこに立ち昇って居る
ウソじゃない、
まだかすかに声が聞こえる
スカートの切れ端が見えてくる・・・
雑踏の中に
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