★65 アオイシャツ/貴水 水海
僕は
どうしても
君とひとつになりたくて
君のシャツのボタンに手をかけた
君は暖かくて
柔らかで
僕は幸せだった
君もそういってくれた
僕たちは溶け合ったね
言葉なんて
言葉なんて必要なかった
素肌の上に
僕の青いシャツを羽織って眠った
翌朝
君は僕の青いシャツを
クリーニングに持っていくと
頬を赤くして言った
今日
君は青いシャツを
クリーニングから持って返って来た
これからは
言葉にしないと
伝わらないだろうね
僕は無口な方だけど
君には
自分の気持ちを
不器用でも
言葉にしたい
これからは
言葉にしないと
伝わらないこともあるからね
僕は無口な方だけど
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