汚れた川に/三条麗菜
無残にも
切り離されてしまった私達が
無意識に吐き散らした
ため息の中
そこに燃え残りの灰があり
それは空を覆って
雨となり落ちるのです
だからここに降る雨は
川を汚してしまいます
それでもその
汚れた川に身をゆだねましょう
いつの日か泳ぎ方を
すべて忘れてしまわぬように
二十四時間
誰かのために生きよとは
誰も言わない
けれども私の内なる声が
私に指を突きつける
「お前は今この瞬間
誰のためにも生きてはいない」
流されまいと意地をはり
いつまでそこにとどまるのか?
人々が生み出す濁流は
もはや当然のこと
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