丸るい丸るい石の国/ポッケ
 
丸るい丸るい川原の石を
敷きつめた石の橋
誰もまっすぐに渡れない
この国は丸るい石の国
丸るい丸るい石を流す
見えない先の下流まで

石に疲れて足を止め
動くままの目にまかせる
浅瀬がわたしの目線を預かり
空に渡した
空はわたしの目線を預かり
浅瀬に虹雲を渡した

太陽が射す
すうと
照らす
硬くすべる
石の狭間まで

石はまだ丸るい
川の中まで丸るく
丸るい丸るい石を流す
わたしは足を
丸るい石に与け
意外なほどの安心で小石を渉る
水上の敷石は丸るくぐらつかない
丸るくてなお ぐらつかない

こわいことなんてない
このまま
かげらない太陽の光線を追って
丸るいままどこまでも




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