2体のコビト/あおば
2007/02/10
頸のない手足と
頸のある手足の
ご神体があった
頸城鉄道のアイドル
コッペルが狭山線にやってきて
お伽の電車を駆逐して
井笠の客車にオープンデッキ
札びらヒラヒラまき散らし
シュウシュウポッポと走ってる
時は明治か大正か
マニアの兄さん迷いだし
明治時代にかぶれてる
頑迷な茸
タケノコ族に殴られて
汐留駅を後にする
墨絵のような
セイタカノッポの
汽車ぽっぽ
煙を吐いて
鉄馬吐煙の春の朝
シュウシュウポッポと走ってる
杉浦茂の
頸のない漫画のキャラが
頸のある青年に囓られて
地下一階のギャラリーで
風を呼ぶのか
ご神体の骨しゃぶる
骨まで囓るのだと
童話のような生猫様が
崖の下では欠伸する
首長竜の古里と
生まれ故郷を自慢した
二人のコビトの物語り
帽子を被った機関士と
帽子を無くした機関助手
手にしたカンテラ投げ捨てて
シュウシュウポッポと走ってく。
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