ひとくみの/ポッケ
 
快速急行の扉にもたれるはりつく
体を支える一枚の板
堅いものはもろくもあり
安心してはいられない

となりに見えるレールがなめらかにうねっていく
滑らかな流れは
どこからやってくるのだろう

突然

―ああ 何かみたいだ

なんだろうなんだっただろうこれは
白く
長く
しなり
うねるもの




―かんぴょうね

女がいった




…そう、それはかんぴょう
ぼくの手には水を吸った真っ白なかんぴょう…


女はぼくの物思いを奪い取り
もどしたてのかんぴょうみたいね、と続けた

そういう女の手にもかんぴょうが握られ
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