春待ち/
緋月 衣瑠香
誰にも見られたくないから
急いで家に帰った
母さんが心配そうに声をかけた
でも
無視して階段を上がって行った
ドアノブをまわした
中には私だけの世界があった
そこにあるベットに滑り込んだ
ふかふかしていて落ち着いた
私は泣いた
声を押し潰して泣いた
誰にもいえないことだから
ずたずたの心に
ただひっそりと鎮めておく
私の思いは涙になる
あぁ
はやく春が来ればいいのに
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