種子の祈り/A道化
くちびるの
置き場所を間違えた、夜明け
あなたへと無音で震える春が
無音で体温する春が
祈りを湿らせるので
耐え切れずに申し上げた春が
ぬくく、痛く、ここに
滲み始めるのを見ていました
あとは
*
プラットホームの、コンクリート
ではなく
わたしは、わたし
うずくまり
コンクリートに近づきはしても
わたしは
わたしという体温
体温という祈り
わたしは
祈りを湿らせる春に浸り、ぬくく、痛く、冬に溢れ
こんなにもこんなにも、コンクリートに近づいても
コンクリートではなく、ぬくく、痛く、ここに
冬ならではの春が溢れるのを見ていま
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