手紙 〜四つ葉のクローバー〜 /服部 剛
 
 今、発車前の夜行列車のなかで
この手紙を書いています。上野駅
は昔から無数の人々が様々な想い
を抱いて上京する駅なので、昔と
変わらぬ空気が今も残っている気
がします。 

 先程、少しの間駅周辺をふらつ
いていたのですが、独りの乞食が
ダンボールの敷布団に毛布を一枚
かけて安らかに眠っていました。 

家のある人も無い人も 
眠りの内にひとしく夢見ることを想う時 
ほんとうの幸福というものは
誰にもひとしいように見えます 

( 立ち止まった夜道、見上げたましろい満月。) 
( すべてのものにそそがれるあわいよるのひかり )

( ひとときの命を咲かせて
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