くぼんで不可解な高みから
海の影が降りてくる
闇と光の間の道を
さざ波のように辿りながら
真実は無限の中から
選び取るもの
それは賭けの連続
焦げた道端で倒れている
風の遺骸
水たまりの底には
まばゆい昨日の竪琴が
未来は憧れの中にあるが
悲しみを見捨てれば
行方は見失われるだろう
凍った鏡に連れられて
通り過ぎる囁き
たどたどしい雨の鍵盤は
途方に暮れて佇んでいる
急に現われて消えるものを
揺れる目で追っても
胸に宿らない
孤独は澄みきった
それでも
願いの中でしか自由になれない
自分自身になれない
満ち来たりては
去ってゆく
海からの影
星空が見下ろしている地に
見えない朝はたなびきながら
さまよっている