22:30/あさみ
空が綺麗だと言って振り仰いだ空に
その月は一層綺麗に映えていて
あまりに優しく照らすものだから
あの月も私を見つめているのだと
思い違いをしていた
手を伸ばせば抱きしめてくれるのではないかと
思わず伸ばした指先は
触れることもできず夜の寒気に晒された
ただただ優しく照らしだされた指先は
白く闇の中で光を得 それこそ
それこそ
お前は一人なのだと思い知らされるようで
慌てて手を引っ込めた
月が綺麗だと言って振り返った視界に
あなたの姿は見当たらなかった。
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