蒼の水紋/まどろむ海月
 








蒼い
空の水紋
降りてくる影
小首を傾けながら
やわらかな円は広がり
石の小径の残雪に
触れ 囁く

 今宵も
 身は削られるだろう
 風は叫び 淋しさに
 切り刻まれるだろう
 孤独は揺れ
 睫から滴るだろう


  それでも
  冬のふところ深くで
  燃えている 春
  震える背の扉を
  叩く日は近いから

  あの人は
  夢見ているといい
  そっと そっと
  抱きしめる
  その朝を

  私が消える
  その朝を



冷たい冬の光の中
微笑みながら
帰っていく
蒼い陰り
  
  











   
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