赤い観覧車/青の詩人
 
とはない

今まさに箱の中で地底を見下ろすカップルたちのために
その窓は世界を少しは美しく見せてやっているのだろうか
それともやはり見えるのは 
サッドエンディングをとうの昔にむかえた灰色の街だろうか


表の顔だけやたら明るい僕らのように
不自然に明るい 観覧車の赤
その赤は情熱の恋か
この街への危険信号か
いずれにせよそれは人が創り出したエゴなのだ


ゆっくりまわる青き地球 
その中であくせく生きる僕ら
ゆっくりまわる赤き地球 
その中で終わり始めている恋


悔しくなって伸ばした右腕 
空を斬るように大きく回してみる
僕が創った小さな観覧車 
それは力強く回り始めた





2006/09/22

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