オリオン座と月/緋月 衣瑠香
空に上げてください。
そうすれば、私が銀の車で夜空を走って行く時に、いつもオリオンに会えるから。
そんな娘の頼みをゼウスは聞き入れ
アルテミスが夜空を照らすために
月の小舟をはしらせる通路にあたるところへと
オリオンを星にして空高く上げた
アルテミスは銀の車にのって
夜空を散歩するたびに
恋人へと逢いに行く
ほら
見上げてみて
冬の東の空に見えませんか
愛し合う二人の
ただ白く煌々輝くところが
きっと今も
二人は愛し合っている
これからもずっと
永遠に
(「オリオンの悲劇」を参照とする)
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