夕焼け空に知った言葉/画竜点睛
 
夕焼け空を見て
胸に何かが込み上げる

少年はそれを言葉にできなくて
とりあえず 叫んでみた


ふと我に返り 辺りを見回す
恐らく あの空より赤い顔隠して
家まで走って行った


十年と数ヶ月


青年は同じ場所にいた
あの空を眺めても
あの頃感じたものは無い

少年が胸に手に入れた言葉を
大人になって見失ったふりをした



青年は気付いていただろう

それが若さだったってことくらい



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