レモネード/あさみ
 

雨だか雪だかが降ってて

でも、そんなことどうでも良かったんだ。


流れる音も聴こえない。
触れることもできない。
冷たいとすら思えなくなって、
もうなんか、降ってるのが雨だろうが雪だろうがどっちでも良かったんだ。
どうでも良かったんだ。
ただ打たれたかっただけなんだ。




でも




君がくれたレモネードの美味しさと温かさだけは鮮明に覚えてるんだ

私が求めているものはいつも酷く曖昧で
絶対に手の入らないものを、そうとわかっていながら強請る
子供の駄々みたいなもので 

それでもそのレモネードほど美味しいものはこの世に無いんじゃないかと思えたんだ
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