蓮華/海月
 
誰かが死ぬ事は慣れていたつもりでいた
どうせ、自分には関係ないと幼い愛に溺れた

君から微かに香る
フェロモン交じりの喘ぎ声
強いアルコールを胃に一気に流し込む様な
熱さが胸を締め付けた

窓の外は冷たい雨が降り続いている
窓に水滴が付き隣の家の景色が揺れている

一つになろうと思えば思う程に遠くになり
優しくすればする程に傷付けて
慰めれば更にお互いを苦しめる

蓮華が冷たい夜に雨に打たれている
雫が花に何度も当たり落ちている

君を忘れようとすれば思い出してしまう
それは忘れれようとする事自体に問題があった
それだけ君を意識
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