赤銅色の光に/T’s
心に雨が降る
雫は夢の泉に波紋を産み
笹舟に乗せられた大量生産の人形は
かつての自分の想いを思い起こす
あぁ……
この雨音を聞きながら
苦しみを乗越える勇気が欲しい
現実の苦しみから眼を反らさず
温もりを信じられる勇気が欲しい
時計は残響を世界に刻み込み
理想はただ生産されて屍となる
その中にあるあなたを
現実が否定をするのならば
それを打ち砕く力を得る事
守れる力を手にしたいと願ったよ
あなたの傍にいて何も描かれていない地図を広げて
肩を並べて歩いていきながらその力を求めていくよ
だから……
何時までも 傍に居させて くれないか
何時までも 一緒に歩んで くれないか
やがて陽は沈み
闇が全てを抱締めようとする
それでも二人の歩んだ軌跡を
光を灯して行こう
沈み行く夕日に二人の影が
何処までも延びていく
何時までもこの赤銅色の光に
二人の影がこれから先も
延びていく……
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