夜と海/海月
静か過ぎる夜は心が穏やかになり
いつか君と二人で行った海を思い出す
あの時も優しい温もりに包まれて
僕は緩やかな眠りについた
朝焼けの空は眩しくて眩暈がした
君の寝顔は綺麗で視線を逸らすので精一杯だった
今なら、今だから、そんな風に思える
幸福な時はほんの一時(ひととき)でしかない
綺麗な物ほどに終りは儚く
愛しい人ほどに別れは近い
嗚呼、どうか忘れさせて欲しい
そうすればこの苦しみからは逃れられる
記憶の奥底で君が笑う
僕はその度に悲しくなり
涙を零す
最後に感じた温もりが僕を縛りつけ
どんなに違う人(温も
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