蛙と首輪(短調)/R
自分の王国は退屈な夢。
透明な壁で世界の全てを見ていた。
傲慢に肯定する毎日で。
井戸の中。蛙の王様はね、首輪をつけていた。
(僕は蛙の王様だ。本当は首輪をつけていることも知っている。)
この首輪をはずすのは簡単だけれども、そこからが本当に難しい。
僕のこの首輪は酷く撓んでいる。抜け出さないのがルールだと知っている。
(願えばいつだってそれは叶うけれど、臆病な彼らや僕にはとても難しい)
蝙蝠は中庸を唄っている。
(唯一無二な自分がいる世界から脱却する事の怖さを教えている。
安穏に生きていればいいと彼は歌う)
自分の居場所を誇示する臆病さを指摘している。
暗黙の嘘
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