現存2/奥津 強
 
そこで 私の 鼓膜を 裂く者は 誰か
天を 仰ぎ 誰でもない 言葉を 吐く者は 誰か

私が いる 
私が そこにいる
お前ら の 目は 常に 日常を 描写している
奇妙な 色盲の 虜になっている
見よ 一匹の 現存が 飼われている
我ら 時代に 生きる者にとり
叫ぶ
苦しいだろう 小規模での 戦争
現存は 時に 苦痛を 与えるのだ

それは 真実である
誤魔化しようのない 6月の 小雨である

やがて 乾季が 訪れよう
それまでに 私を 木に 吊るせ
あの 言語の 木々に


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