美神/T’s
 
その佇まいは凛として  まるで竹のようなしなやかさ
その眉目は三日月の如く まるで雪中の花弁の艶やかさ
その唇は豊かでたおやか まるで水面に映る星光りの様

ふくよかなる腰に腕を回し 引き寄せて二人で啄み合う
淫猥で甘美で退廃で絶世の世界が 盲目なる私に見せる
幻惑の深遠に沈み至りきる事が叶うならば 美神よ
その生命すら惜しくは無い

纏いし香りすら意思を持ち 老若男女を魅惑する
羽衣纏いし衣擦れ音すら  小川を流れる調べとなる
瞳から零れる一滴は    心の砂漠を潤す水場となる

穢れ無き眼を見つめたまま 稚拙なる情愛の詩を吟ずる
淫猥で甘美で退廃で絶世の世界が 盲目
[次のページ]
戻る   Point(2)