さようなら/綿花
 
返答があるわけでは無く
届くはずも無く
それでも貴方に向けて
「さようなら」
と呼び掛けました

あたしの声が届き
貴方が振り返ってくれることを
心の何処かで期待しながら

そんな日が来ないことを 誰よりも理解し
そんな日が来ないことを 誰よりも望んでいるのに

思いを昇華させる術も知らない 幼いあたしは
今日もまた「さようなら」を繰り返す

幼かったあたしに
叶わなかった想いに
流した涙に
言えなかった言葉に
貴方への幻想に
辛かった日々に

「さようなら」
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