グリセリン/肉食のすずめ
 
二〇〇七年一月七日〇時三十一分
にわかに風が吹き始めた
ごわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ
いつまで経っても風が吹き抜けないのを
不審に思って起きた私は
窓を大きく開けた
ごわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ
何の事は無い 風は吹き抜けていた
群れを成していただけだった

グリセリンの匂いがした 
少し昔 川原の草むらに
しゃがみこんで地表の澱に触れていた
目はどの方向へも向いていなかったので
誰も追いかけてはこなかった なぜか
グリセリンの匂いがした
慎重に吸い込もうとしたが そろそろ
側道に停めた自転車に
戻らなければいけなかった
私には私の
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