ニューヨークの景色/番田
木から木へと歩くことで、知る。そこに、立っていると、今日も、月を見ているその下で。影には時々人がいて、どうも、そこでスマホをいじっているようだ。光るから、読めるのだろう。情報を得る手段が雑誌だったから、そのような芸当は昔はできなかった。街灯の下に着くと、昔は落ちていたようなエロ本も見かけなくなったと気付かされた。月は、今夜も綺麗に光っている。遠くの空に、そして、見える、生きることはいつのまにか昔思っていたような道からは外れてしまったけれど、今日も僕は生きていた。僕の思う道を歩いていると、思っている。ニューヨークに、成田のロビーから、歩いた。そして、ミッドタウンで、中古のCD屋の中に入って、物色
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