いんとろだくしょん&アレグロ?/朧月夜
Introduction :
冬の風がもうひたひたと吹きつけています。そんな季節になったのかと、なんだか意外な思いのように感じながら、書き始めています。いま、コンタクト・レンズではなくて眼鏡をかけました。もう、わたしには物をはっきり見ることはできないのだって、なぜだか切なく悟りきってしまったような気分です。わたしは詩人でした……たしかに詩人でした。
彼女と会ったのは、いつごろでしょうか。梅田の喫茶店で見かけたのが始めだったと思います。彼女は、窓際にすわってあっ、という顔をしていました。おかしなことを人の目に見せる人だなあとその時感じたんです。だって、梅田というのはああいう街
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