強い雨の後の曇天/山人
傘を差しても濡れてしまうほど豪雨だったが、今は止んでいる。風は緩やかに吹いて、となりの籾乾燥施設傍の、クルミの小径木に巻き付いた葛の葉が揺れている。ヒヨドリたちが鳴き始めたから雨は当分降らないのかもしれない。
六月初旬の週末あたりから家業は忙しくなり、先週あたりまで続いた。花愛で登山のピークが終わり、山は閑散とし、我が山小屋も閑古鳥たちが棲みつき始めた。そのタイミングで、コロナ禍の再燃となったのである。コロナがもうちょっと早いタイミングでやってきたなら、家業へのダメージはかなりあったのではないかと思うのである。
十万キロを超えた八人乗りの愛車も車検の為、今は修理屋に入っているが、予想通り
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