詩人、あるいは人の持っている悲しみについて/朧月夜
詩人の持っている悲しみに圧倒される、ということが時々あります。そのことに慣れていない人は、それを怒りだと思い間違ってしまうことがある。彼らの魂が抱えているやるせなさを目にすることを。
人の持っている悲劇というのは、それが集まった時には明確になりますが、一人一人の持っている悲劇というのは、把握しにくく、どれほどの重さなのかということを表しにくいものです。
ですが、一人一人にとっての悲劇は、集団の悲劇と同じように重いものです。それを表せるのが詩人という存在で、悲しみを手に取れるもののように示すことができます。
ただ、悲しみや喜びをありのままに表そうとする過程で、詩人というのはどうしてもそ
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