竹と朝顔/板谷みきょう
朝顔が知らないうちに、つるを出していたので、竹の添え木をつけてあげました。
その晩のことです―――
朝顔は、とっても人見知りの恥ずかしがり屋なのに、竹は、とっても明るく朗らかでした。
「ねぇ、朝顔さん。僕は今でこそ、こんなに、黄色く汚れてしまっているけれど、前はそれは、それは、美しい位の青色だったのですよ。生まれた所は、ここよりずうっと南の、とっても素敵な所なんです。あぁ。皆どうしているのでしょう。一遍でいいから、帰りたいなぁ。」
朝顔は、ちょっとだけ顔をのぞかせ、竹の話を聞き始めました。
竹は、自分の生まれた所の話、おじいさんやおばあさんから聞いた昔ばなしを話しました。
「お
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