恋昇り挿し詩2「いつか収束する今日へ」/トビラ
私は割れた花瓶に水を注ぐ
花瓶はいつまでも満たされない
俺は目隠しをして
手に触れた物を壊す
壊れたくなかったら
俺に近寄らない方がいい
私は心の裏側を読む
俺は何もない
俺は空っぽな計算機だ
僕は空を見る
夕方から夜へ
移り変わっていく
*
私は割れた花瓶に水を注ぐ
花瓶はいつまでも満たされない
花は枯れてしまった
俺は壊す
何を壊しているのか
知らないままで
私は闇を見る
そんなもの見たくなかった
俺には何もない
俺はただの空っぽの計算機だ
僕は夜空を見る
星はまたたき
月は表情を変えて
そこにある
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