詩論/水菜
 
詩は、情緒の穴である。 端的に言い換えれば、詩とは、ハーモニーである。 ゆらぎである。 感応することであり、掘り起こすことである。 詩は、情緒の穴である。 つまりは、そこにこそ、詩の存在意義があり、そこにこそ、詩は息づいている。 息を放っている。 眼差しがあり、詩の生がある。 喩えるなら、詩は、殺されやすい繊細な砂糖菓子のようなものである。 口に含めば味合うまでもなく、はかなくふくらみ、煮溶けてしまう。 詩は、殺されやすい、繊細な心の触れをゆらぎをそっと固めたものである。 感応することでしか、それをほどくことは難しいだろう。 詩は、学ぶものではない。 フィーリングで伝わるものだ。 私に あなたに 
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