震災の記憶/小川 葉
仙台は、あの大きな揺れのあとも、不気味な地鳴りの音が鳴り止まずに、世紀末感、たっぷりでした。それから駅のエスパルから煙があがってた。ヘリが空を飛び、警官は、津波が来るから高台へ!と叫んでた。仙台市バスの駐車場に避難してたら、中に避難してくださいと、職員がバスの中に入れてくれた。それからメールが通じないと、いやしかし、Twitterから連絡がきたと声が上がる。携帯のワンセグを見てるひとの画面には、石巻港が、静かに水に浸っていく様子が見えた。こんなもんなのかな、いやきっと、こんなもんじゃない。津波は、仙台の街中には結局こなかったけど、これは来る!と思ってたら、雪が降ってきた。歩道を人が埋め
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